宮崎市塗装業協会は11月18日、宮崎市内で2022年度の技術研修会を開催しました。研修会には、会員企業の代表や技能士のほか、宮崎市建設部道路維持課の職員ら約30人が参加し、鉛やPCBといった危険物質を含む塗膜剥離工を行う際に求められる養生対策について、座学や現場見学を通じて熱心に学びました。
過去に使用されていた塗料の中には、鉛やPCBといった危険物質を含有するものがあり、こうした塗料の塗り替え作業を行う際には、危険物質の外部への流出を防ぐとともに、現場で働く作業員の健康を守るため、作業場所を密閉する(=養生対策)ことや保護具を着用することなどが法律で求められています。
研修の講師を務めた谷口真樹技術・技能委員長は、橋梁等の塗膜剥離工に係る養生対策に関して、現時点で鉛やPCBに特化したマニュアルが存在せず、現在は厚生労働省と環境省が策定した「建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏洩防止対策徹底マニュアル」に準じた対策が求められていることを説明しました。
同マニュアルを基に、作業場に於ける負圧隔離について解説。負圧状態であることを確認するための手法や屋外にセキュリティゾーンを設置する際のポイント、排気・集じん装置の設置台数や設置位置、フィルターの交換頻度、作業場への入退場時の注意事項、危険物質の廃棄方法を説明し、自社で行っている養生対策も紹介しました。
説明後には、会員企業である▽有限会社こだま▽株式会社河野塗装▽株式会社ヒラハラテクノ―が3つの工区に分けて施工する番所橋橋梁修繕工事の現場に移動。現地に設置されたセキュリティゾーンや作業場に於ける養生対策、排気・集じん装置を見学しながら、谷口委員長が説明を行い、参加者が疑問点などを質問していました。